越境ECを支援するユニコーンBaaSプラットフォームRapyd(資金調達ニュース2021.08.02~2021.08.08)
今回は2021年8月2日〜8月8日の資金調達上位企業を紹介します。今回のピックアップはグローバル決済APIプラットフォームのRapydです。
まず先週の資金調達上位10社はこちらです。
第1位はBoltです。エストニア発の配車サービスです。ヨーロッパ・アフリカを中心に展開、ライドシェアだけでなく自転車レンタルやフードデリバリーにも参入しています。
第2位はEswinです。IoTデバイスを中心とする半導体の開発企業です。
第3位はHopinです。オンラインイベントプラットフォームです。チケット販売やブレイクアウトルームに加え、顧客の行動を分析、マーケティングに活用できる点に特徴があります。
第4位はDataikuです。AI分析の設計から管理までが可能なデータ分析ツールです。
第5位はBharatPeです。SMB向けのPOSレジと融資サービスを提供しています。
第6位はRapydです。決済・支払機能を中心に提供するBaaSプラットフォームです。
第7位はInceptio Technologyです。自動運転トラックの開発企業です。
第8位はSonoma BioTherapeuticsです。自己免疫疾患の治療を目的とするT細胞療法を開発しています。
第9位は圆心惠保です。オンライン診療やオンライン薬局を展開する中国の総合オンライン医療プラットフォーム圆心の保険事業会社です。
第10位は妙手医生です。第9位同様に圆心が運営する医療情報プラットフォームです。
今回のピックアップはグローバル決済APIプラットフォームのRapydを紹介します。
Rapydは様々な支払手段や各国の通貨に対応した決済機能やKYC、デジタルウォレット、カード発行など、これまで銀行が提供していた機能をAPIベースで提供するBaaS(Banking as a Service)プラットフォームです。
BaaSはこれまでは銀行との提携や大規模な開発を行わなければ実現できなかった金融機能を簡単に実装できる仕組みを提供しており、RapydをはじめSolarisbank、Mambu、ClearbankやUnitなど多くのプレイヤーが急成長を遂げています。
そんなBaaSの中でもRapydは主にグローバルでECやマーケットプレイスを提供する企業をターゲットとしています。
100か国以上で900以上の支払方法に対応しており、Rapydを導入することで越境ECを容易に展開することができます。ローカルの通貨や決済手段に対応しているだけでなく、不正監視やサブスクリプション・分割払いなどにも対応、高品質の決済機能を提供しています。
EC事業者向けにはShopify、WooCommerce、Wixなどへのアプリ提供も行っており、代表的な企業としてはIKEAが導入しています。
また、ECだけでなくC2Cのマーケットプレイスにも対応しており、Uberも導入企業となっています。C2Cでは決済手段だけでなく、ギグワーカー向けのKYC・ウォレット・支払処理もAPIで提供、EC同様にローカライズをスピーディーに展開することができます。
現在は約12,000社の中小企業と約650社の大企業が顧客となっており、GMVは2020年度50億$に対して2021年度200億$と約4倍の成長が見込まれています。
今回の資金調達でバリュエーションは87.5億$となり、南米・アジアでの拡大に向けてRapydVenturesと呼ばれる投資部門を設立、投資とM&Aを行っていくそうです。
日本においても越境EC市場は成長しており、決済手段だけでなく海外ECプラットフォームへの出店・マーケ・物流までをテクノロジーで効率化するようなサービスはさらに成長していくのではと考えています。
もしそのようなビジネスを検討されている方がいましたら、是非お話しさせてください!