VCをディスラプト!?EC事業者向け融資プラットフォームClearco(資金調達ニュース2021.07.05~2021.07.11)
今回は2021年7月5日〜7月11日の資金調達上位企業を紹介します。今回のピックアップはEC事業者向けの融資プラットフォームを提供するClearcoです。
まず先週の資金調達上位10社はこちらです。
第1位はOlaです。インド最大手のタクシー配車サービスです。
第2位はPharmEasyです。インドのオンライン薬局です。一般医薬品から処方箋まで配送してくれるサービスです。
第3位はCarNext.comです。ヨーロッパの中古車B2B・B2Cプラットフォームです。B2BオンラインオークションとB2Cマーケットプレイスの双方を展開、ヨーロッパの22か国で提供しています。
第4位はManoManoです。DIY・ホームセンター用品特化のマーケットプレイスです。フランスを中心にスペイン、イタリア、ドイツ、英国、ベルギーでも展開しているそうです。
第5位はPine Labsです。インドの個人店舗向けに決済端末や決済システム、事業用ローンを提供している企業です。
第6位はNetskopeです。クラウド・ネットワークのセキュリティサービスを提供しています。
第7位はKK Groupです。自社ブランドとセレクトショップをオンライン・オフラインで展開する中国のニューリテール企業です。
第8位はAnyVisionです。顔認識技術を基にした通知システムやゲート、ドローン等を開発しています。
第9位はbunqです。オランダ発の若者向けチャレンジャーバンクです。節約のための管理機能や環境への貢献など若者向けの機能を提供しています。
第10位はClearcoです。EC事業者向けの融資プラットフォームです。
今回のピックアップはEC事業者向けの融資プラットフォームClearcoを紹介します。
Clearcoは、EC事業者向けに売上連動型の融資サービスを提供しています。
創業間もなく自己資金が少ない起業家や銀行からの融資を得ることができない起業家が、個人保証や与信調査なしで融資を得られるプラットフォームになっています。SaaSのMRRから与信額を算出して融資するPIPEのEC版のようなイメージです。
Clearcoでは、Clearcoが提供するアプリをShopifyやStripeなどにに接続すると、収益データ・マーケティングデータが分析され、24時間以内に貸出可能な金額が提示されます。スタートアップは資金使途や毎月の返済額等を入力、すぐに融資が実行されます。
Clearcoの手数料は一律6%、事業以外の用途に使用する場合は最大12.5%となっているそうです。貸出金額は1万$(100万円)から1000万$(10億円)となっています。
1番の特徴は返済方法です。返済は売上連動型となっており、スタートアップ側が毎月売上の何%を返済に充てるかを選択することができます。このため幅広いスタートアップの支持を集め5500社以上の企業に25億$以上の融資を実行しています。
Clearcoの主力商品はEC事業者向けの融資プラットフォーム「ClearCapital」ですが、その他にもSaaS事業者向けの融資プラットフォーム「ClearRunway」、スタートアップの収益・KPIを分析して事業計画の管理や業界平均との比較、投資家や専門家とのMTG依頼ができるSaaSプロダクト「ClearAngel」を提供しています。
Clearcoの創業者ミッシェル・ロマノウはシリアルアントレプレナーで起業した会社をグルーポンへ売却後、エンジェル投資家としてカナダで有名人となっていた人物ですが、投資家によってバイアスがかかったり、デューデリに長時間かかるようなVCではなく、データドリブンでの判断と自動化により、より多くの起業家に資金提供の機会を提供したいと話しています。
今回の調達はソフトバンクビジョンファンドから約230億円の調達となり、現在展開中のヨーロッパ、カナダ、米国以外の地域への展開を予定しているそうです。
スタートアップとしては資金調達力が勝負となり、難しい領域ですが、株式クラウドファウンディングやSaaS向け融資など国内でも新たな資金調達の手法は今後も増えてくると感じています。
そのようなビジネスを検討されている方がいましたら、是非お話しさせてください!