各国で急成長する中古車自動車プラットフォーム!東南アジアの新ユニコーンCarro(資金調達ニュース2021.06.14~2021.06.20)
今回は2021年6月14日〜6月20日の資金調達上位企業を紹介します。今回のピックアップは東南アジアで急成長する中古車売買プラットフォームCarroです。
まず先週の資金調達上位10社はこちらです。
第1位はCruiseです。ゼネラル・モーターズ傘下の自動運転開発企業です。2023年末までに700万台を開発、自動運転タクシーやラストワンマイルのデリバリー に活用していく方針だそうです。
第2位はWaymoです。Google傘下の自動運転開発企業です。完全自動運転の配車サービス「Waymo One」をサンフランシスコやフェニックスで展開中、展開エリアの拡大を予定しているとのことです。
第3位はAnduril Industriesです。砂や泥、海水等への耐性を備えた軍事用ドローンの開発しています。ドローンとドローンを通じた監視システムを提供しています。
第4位はEBANXです。南米8カ国に対応した決済システムを提供しています。大手ブランドやEC事業者が南米へ事業展開をする際に利用されています。
第5位はCarroです。サブスク型のカーレンタルサービス、中古車の売買プラットフォームを提供する企業です。
第6位はNeo4jです。オープンソースのグラフデーターベースのマネジメントシステムを提供しています。
第7位はApplyBoardです。留学プログラムと申請手続きを簡略化するプラットフォームを提供しています。
第8位はBetKingです。ナイジェリア、ケニア、エチオピアで展開するスポーツ賭博サービスです。
第9位はThumbtackです。住宅の清掃や修理、弁護士、カメラマン等を探せるサービスECプラットフォームです。
第10位はYaoshibangです。薬局やクリニックが医薬品を購入するための医薬品B2Bプラットフォームを提供しています。
今回のピックアップは東南アジアで急成長する中古車売買プラットフォームCarroを紹介します。
Carroは中古車の買取から再販を行う中古自動車の売買プラットフォームです。今回のラウンドでは、ソフトバンク・ビジョン・ファンド主導で約396億円の資金調達となり、ユニコーンの仲間入りを果たしています。
Carroのサービス内容は、オンライン上で中古車を選び、3日間の試乗を行った後に購入するか別の車を試すかを選択できます。購入を決めると、現在の車を下取りして代金を相殺することもできます。
さらにCarroは購入時のローンもグループ会社で提供しています。また、修理・メンテナンスも自社内で行っており、購入時の整備や購入後の整備も依頼することができます。他にも保険、税金など自動車購入の際のあらゆる行動を一気通貫で完結できるサービスとなっています。
また、オンライン上での車の買取も行っており、日本でいうIDOM(ガリバー)に近いモデルとなっています。ガリバーと異なる点は店舗中心ではなくオンラインで完結できるサービスを提供している点にあります。
このようなオンラインでの買取再販事業者は各国で急成長しており、米国Carvana、Vroom、英国Cazoo、南米Kavak、ヨーロッパAUTO1.comなどがいずれも上場やユニコーンとなっています。
これらのサービスの特徴は「オンライン完結」「メンテナンス」「ローン」の3つがあります。
「オンライン完結」では、先程説明したように自動車の選択・試乗・購入までの行動をオンラインで完結させることができます。「メンテナンス」では、自動車はPFが整備・点検を行っており、安心して購入することができます。「ローン」では自社で自動車購入のローンを提供、販売時の利益だけでなく、ローンの利息による収入も得ています。
各国によってその成長背景は異なりますが、Carroは多くのディーラーが存在する中で、売り手に対してディーラーが提示したの購入価格を保証することで成長してきました。ディーラーの提示価格より高価格での販売を行い、30日以内に販売できない場合はディーラー提示価格で購入する形式で最も高値で自動車を買い取ってくれるというポジションを構築、売り手=在庫を増加させました。
現在は買い取った自動車の消費者への再販、業者への再販に加え、月額制乗り放題の中古車レンタルサービスも行っており、マネタイズポイントを増やしています。
国内中古車市場はIDOMやビッグモーター、アップルなど多くの大手企業が全国の店舗網に加え、オンライン化も推進しており競争の激しい環境となっています。
特にIDOMはC2Cやサブスクなど新事業にも積極的に取り組んでいますが、Carroのように売り手側の獲得方法の発明、買い手側に対する品質保証の発明により、オンライン特化型の買取再販事業者が成長するの可能性はあると考えています。
このようなビジネスを検討されている方がいましたら、是非お話しさせてください!