Shopifyをサブスク化するECイネーブラーReCharge(資金調達ニュース2021.05.03~2021.05.09)
今回は2021年5月3日〜5月9日の資金調達上位企業を紹介します。今回のピックアップは、Shopifyをサブスク化するECイネーブラーReChargeです。
まず先週の資金調達上位10社はこちらです。
第1位はWealthsimpleです。カナダのロボアドバイザーによる資産運用プラットフォームです。ミレニアル世代をターゲットに少額から資産運用してくれるサービスを提供、手数料無料の株取引や暗号通貨の取引など機能を拡充しています。
第2位はKajabiです。動画教材の販売サイトを簡単に構築できるツールを提供しています。類似サービスのTeachableが個人事業主を中心とするのに対して、Kajabiは企業向けにハイエンドな機能を提供しています。
Code Republicの投資先であるLekchaもこの領域で挑戦しています。
第3位はeStruxtureです。データ管理のインフラとサービスを提供するカナダのデータセンターです。
第4位はRazor Groupです。Amazonの出店事業者を買収〜育成する事業を展開する企業です。Thrasio・Heyday同様のサービスをドイツで展開しています。
第5位はCollective Healthです。従業員に対して低コストの医療サービスを提供、健康保険費用を削減できるプラットフォームです。
従来は保険会社の指定医療サービスでなければ保険を適用できませんでしたが、複数の医療サービスと連携することで従業員・企業双方の医療関連のコストを削減しているそうです。
第6位はOxford Nanopore Technologiesです。DNA・RNA の塩基配列を直接解読できる次世代シークエンサーを開発しています。
第7位はBitsoです。メキシコの暗号通貨取引プラットフォームです。
第8位はReChargeです。ECサイトにサブスクリプション決済を実装できるツールです。
第9位はShift Technologyです。保険金の不正請求を検知〜防止する保険会社向けツールを提供しています。不正検知から保険金給付までのプロセスを自動化するサービスとなっているそうです。
第10位はPrescientです。低コスト・短期間のビルの建築手法を開発する企業です。設計ソフトウェアからパーツの製造、建築までを提供しています。
今回のピックアップはShopifyをサブスク化するECイネーブラーReChargeを紹介します。
ReChargeはShopifyにサブスクリプションの決済方法を導入できるアプリケーションを提供、Shopifyにアプリをインストールすると、サブスクリプションの商品をShopify上で販売することができます。
アプリでは販売機能だけでなく、売上の分析ダッシュボードも提供しています。
Shopifyの成長に伴い、15,000以上の店舗が利用しており、2020年のARRは約1.4倍に成長しているそうです。
Shopifyでサブスク決済を導入する際には、ReChargeとBold Subscriptionsの2つのアプリが主流となっていますが、ReChargeは未払い時のリマインド、無料トライアル、月単位の購入中止など決済以外のサブスクに付随する業務を自動化する機能を提供しています。
ReChargeは2014年創業の会社で、Shopifyにおけるサブスク導入の代名詞となっていましたが、2020年10月よりShopify自身がサブスクAPIの提供を開始しており、ReChargeはShopifyに飲み込まれる可能性が高くなっていると感じます。
そのため、今回の資金調達では、BigCommerce、Salesforce Commerce Cloud、MagentoなどShopify以外のECプラットフォームへの強化を行っていくそうです。
Shopifyはこれまでも3rdPartyのアプリで人気のアプリを買収したり自社開発してきましたが、ReChargeも3rdPartyとして優位性を構築するためには単純な機能だけでなく、人的なサポート、たとえばコールセンターによる顧客サポートや過去の取引データの機械学習から顧客・ジャンルに応じたサブスクのCVR向上の自動最適化などCVRを向上するノウハウ・仕組み化が求められていると感じます。
このようなECイネーブラー、特に機能だけでなく、簡単に模倣できない独自のノウハウ・仕組みにより、EC事業者を支援するECイネーブラーを検討されている方がいましたら、是非ご相談ください!