ヘルスケアのスーパーアプリを目指す!デジタル健康保険サービスAlan(資金調達ニュース2021.04.19~2021.04.25)
By Code Republic
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今回は2021年4月19日〜4月25日の資金調達上位企業を紹介します。今回のピックアップは、企業向けの健康保険を提供するAlanです。
まず先週の資金調達上位10社はこちらです!











今回のピックアップは健康保険をフックにヘルスケアのスーパーアプリを目指すAlanです。
Alanは企業向けの雇用者に対する健康保険を販売している企業です。フランスでは、従業員に対して健康保険を提供することが義務付けられており、病院での治療を受ける際は、治療代を支払い、その後健康保険から治療代の一部が還付される仕組みとなっているそうです。
Alanはこの従業員向けの健康保険の加入をオンライン上で完結できる仕組みを提供しています。
Alanと契約している企業の従業員は、病院で治療を受けた際に専用アプリで請求書を転送もしくは写メを送ることでこれまで数週間後に払い戻された保険料を即座に受け取ることができます。
さらにAlanはヘルスケアのスーパーアプリを目指しており、医師とのチャットによる医療相談、スウェーデンのオンライン診療スタートアップLiviと提携してオンライン診療を提供したり、加入者に対して瞑想アプリ等のアプリを無償提供するなどサービスを拡充しています。
一方で企業側にとっては、オンライン上で簡単に加入でき、1つのツールで従業員へ登録を依頼したり、保険に関する給与計算を行うことができるなど利便性が高くなっています。
また、一番の特徴は、ブローカーを中抜きにしているため従来の保険会社に比べ保険料が安くなっています。
この結果9400社以上の企業で利用されており、契約者数は16万人、売上は130億円以上に成長しています。現在スペイン・ベルギーでもサービスを提供しており、今後EU全域に拡大を目指しているそうです。
Alanの面白いところは、その戦略にあると考えています。Alanは2016年に設立された企業ですが、フランスでは1986年以降30年振りに保険ライセンスを取得した企業だそうです。これまでアクサのような大企業が占有していた市場に対して、デジタル化により価格と利便性で市場シェアを奪取しています。
そして、企業向けの健康保険から利用者を増やし、C向けの医療サービスを展開、売上の拡大を実現しています。
巨大でイノベーションが起きていない市場の発見、B2B2Cで利用者数を増加させてからC向けのマネタイズで売上拡大を図るという戦略は、非常に参考になるのではないかと思います。
ヘルスケア領域ではC向けのサービスはなかなか難しい印象ですが、B2B2CでC向けのサービスへと進化を目指している方がいましたら、是非ご相談ください。
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