メーカー・小売の課題を解決!商品棚を可視化するユニコーン(資金調達ニュース2021.04.05~2021.04.01)
今回は2021年4月5日〜4月11日の資金調達上位企業を紹介します。今回のピックアップは店舗の棚を可視化するTraxです。
まず先週の資金調達上位10社はこちらです。
第1位はDidiです。
年内上場予定の中国のライドシェア大手ですが、今回の調達は自動運転事業部門の調達となっているそうです。
第2位はRobinFoodです。
非接触型店舗とデリバリーでピザやチキン、タコスなどの自社ブランドを販売するゴーストレストランチェーンです。メキシコ、コロンビア、ブラジルで50件以上の店舗と8つのブランドを展開してるそうです。
第3位はSwiggyです。
インドのフードデリバリープラットフォームです。
第4位はDingdong Maicaiです。
中国の生鮮食品ECプラットフォームです。アリババ・JD・PDDなど各社が生鮮食品ECに資金を投下しおり、熾烈な競争となっています。
第5位はTraxです。
商品棚を撮影した画像を解析、商品補充や陳列方法等を分析してくれるツールを提供しています。
第6位はShareChatです。
15言語に対応したインドのソーシャルメディアShareChatとインド版TikTokのMojを提供しています。TikTokが禁止になったインドで成長しており、Twitterの買収交渉が噂されていましたが、見送りとなったようです。
第7位はKavakです。
メキシコの中古車販売プラットフォームです。これまで購入後の故障に対する保証がなかった南米で保証や融資を導入、メキシコ・コロンビア・ブラジルで成長中だそうです。
第8位はPlaidです。
銀行の口座情報取得〜残高確認・送金処理等を実行できるAPIサービスです。VISAからの53億USDの買収が進んでいましたが、独禁法の提訴により中止、今回のバリュエーションは134億USDでさらなる成長をしています。
第9位はPharmEasyです。
インドのオンライン薬局最大手です。OTC医薬品から処方薬までを取り扱っています。
第10位はMeeshoです。
個人がWhatsAppやFacebookで商品を販売できるドロップシッピングサービスです。商品を選択してSNSで共有するだけで販売ができるサービスとなっています。
今回のピックアップは店舗の棚を可視化するTraxです。
Traxは画像認識技術により小売店舗の商品棚の欠品状況や陳列状態等を分析、レポーティングしてくれるツールです。
これまでPOSデータにより在庫状況は管理できますが、商品が棚出しされているかや商品棚の陳列状況は、店舗スタッフが目視で確認しなければならず、忙しい時間は対応できなかったり、本部は陳列状況を把握する術がありませんでした。
そこで、Traxは画像解析により、店舗スタッフに対しては品切れや在庫減少のアラートを送り、販売の機会損失を防ぐアプリを提供、本部に対しては品切れや陳列状況のレポートを送り、店舗単位での分析やタスク管理ができるツールを提供しています。
Traxは小売事業者だけでなく消費材メーカー向けのプロダクトも提供しています。
消費材メーカは、自社商品が卸時の計画に沿って陳列されているかを確認するために、営業担当が店舗を訪問、確認する作業を行っていますが、大手メーカーは複数商品を提供しているためSKU数が多く、この確認作業には膨大な時間を要します。
そこでTraxは、消費材メーカーの営業担当がSKU単位で商品の品切れ、商品棚のシェア、陳列状況を知り、改善提案ができるツールを提供しています。また、メーカー向けには競合商品の陳列状況や価格、販促キャンペーンを分析できるツールも提供しています。
既にアジア、EU、中東、北米、南米など50カ国以上に展開しており、コカコーラ・ネスレ・P&Gなどのナショクラがグローバルで活用しているそうです。日本にも2019年7月に参入しています。
今回の調達はソフトバンクビジョンファンドとBlackRockのリードによる6.4億USDのラウンドとなり、オンラインでの注文や商品の配送など提供価値の拡大を行っていくそうです。
コロナの影響により、既存の小売店のオンライン販売が増加していますが、オンラインとオフラインのシームレスな買い物体験やオフラインの顧客行動分析による需要予測などテクノロジーにより小売の売上を最大化するサービスを検討している方がいましたら、是非ご相談ください!