病院の常識を覆す月額制デジタル医療サービスFORWARD(資金調達ニュース2021.03.08~2021.03.14)
今回は2021年3月8日〜3月14日の資金調達上位企業を紹介します。今回のピックアップは、これまでの病院の常識を覆す医療サービスを提供するヘルスケアスタートアップFOWARDです。
まず先週の資金調達上位10社はこちらです。
第1位はTauliaです。
請求書発行の自動化とキャッシュの早期回収を実現できるサプライヤー向けSaaSです。支払期日前の支払によりバイヤーは購入価格が割引になり、サプライヤーは早期に売上をキャッシュ化できる機能が特徴です。
第2位はStarling Bankです。
イギリスのチャレンジャーバンクです。家計簿・資産運用サービスとの連携、手数料無料の法人口座、子供向けのカードなど広範囲のサービスを提供しています。
第3位はBlockFiです。
暗号通貨を担保にローンを提供しています。ビットコイン関連の投資信託サービスも開始しています。
第4位はSnykです。
オープンソース利用時のセキュリティチェック・修復を支援するソリューションを提供しています。
第5位はAxoniusです。
企業が利用中のデバイス・ネットワーク・ソフトウェア等が自社のセキュリティポリシーを満たしているかを確認〜管理できるツールです。
第6位はForwardです。
月額制で診察・健康診断・健康相談を行える医療サービスです。
第7位はWorkFusionです。
金融機関を中心に口座開設・KYC・ローン申込〜審査などのRPAソリューションを提供しています。
第8位はCedarです。
患者向けの医療費支払いアプリと医療機関向けの医療費管理システムを提供しています。請求書の一元化や支払オプションの選択が可能だそうです。
第9位はNYDIGです。
ビットコイン専門のカストディ事業者です。ビットコインの管理、暗号通貨の投資信託ファンドを提供しています。
第10位はFlutterwaveです。
B2B決済システムをアフリカで提供する企業です。
今回はこれまでの病院の形を覆す医療サービスを提供するヘルスケアスタートアップForwardをピックアップします。
Forwardは健康保険料の代わりに月額料金を支払うことで、無制限で診療・健康診断・相談を行える会員制医療サービスです。
従来の病院のように保険料を主な収益源とするビジネスモデルではなく、サブスクリプション型のビジネスモデルへ転換しています。さらにアプリで予約・問診を効率化、初回登録時には最先端の医療機器により500種以上の生体データを記録、個人の健康状況に応じて、予防のためのパーソナライズプログラムを提供しています。
現在はロサンゼルス、ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ、ワシントンDCなど米国の一部地域での展開となりますが、今回の資金調達により、展開地域を拡大していく予定です。
創業者のAdrian Aounは、2013年に自然言語処理のスタートアップwaviiを創業
Apple・Google両社から買収オファーを受け、Googleに売却、その後、Googleのスマートシティプロジェクトのsidewalk labsの創業などGoogle内でも活躍してきたシリアルアントレプレナーです。
投資家陣も豪華でピーター・ティール率いるFounders FundやKhosla ventures、Google元会長のエリック・シュミット、SalesforceCEOのマーク・ベニオフ、さらにuberやboxの創業者など豪華メンバーが出資しています。
今回の調達では既存投資家に加え、ソフトバンクビジョンファンドが参加、合計約240億円のラウンドになっています。
医療機関のDXは電子カルテや予約システム、医療費の管理など様々な側面で進んでいますが、デジタルに最適化した医療機関自体を創ってしまうという取り組みはとても面白いと感じました。
国内では法規制や資金などハードルが高い領域と思いますが、オンライン診療と往診サービスを提供するファストドクター、予約・問診など各種オペレーションをデジタル化するリンクウェルなども生まれています。
また、健康状態を記録・管理できるPHRのプレイヤーも多く登場していますが、スタンダードとなるまで成長してるプレイヤーはまだいないと考えています。この領域は医療機関の立ち上げに比べ、ハードルは低いもののユーザーにとって継続するインセンティブ設計が必要であり、この設計ができず伸びないケースが多いと感じます。
インセンティブ設計の発明により、この領域に挑戦している方がいましたら、是非ご相談ください!