【事例で学ぶ!起業の秘訣】食べログの創業期の成長要因
今回は飲食店検索・予約サイトとして人気の食べログの創業期の成長要因を調べてみました。
食べログは月間利用者数1.6億人、月間PV数16億PVと1億人以上が毎月10回以上利用しているサービスとなっており、
飲食店検索サービスとして国内1位となっています。
今回食べログの創業期から学びたい点は3つです。
1つ目は『投稿者へのフォーカス』
2つ目は『ユーザーヒアリング〜改善の爆速サイクル』
3つ目は『KSFの見極め』
この3つが創業期の成長要因と考えています。
では食べログは、どのように生まれたサービスなのでしょうか?
食べログは2005年にカカクコムの1事業として開始されたサービスです。現カカクコム取締役の村上敦浩さんが、新規事業としてエンジニアと2名で立ち上げ、翌年には利用者数100万人を突破する急成長を遂げました。
インタビューでは当時グルメサービスとしては「ぐるなび」や「Yahoo!グルメ」、口コミサービスとして『東京グルメ』や『askU』といったサービスがありましたが、それらのサービスはテキスト中心の掲示板のようなサービスで、写真がなかったそうです。近年Instagramで飲食店を探す人も増えているようですが、当時は雰囲気を直感的に知る術がなかったようです。
さらに競合は1日数十万PVを誇っていたにもかかわらず、頻繁に口コミを投稿するユーザーは500人しかいなかったそうです。
そこで画像を中心として500人以上の口コミユーザーを集めることで、お店探しのベストプラクティスを生み出せると考えたようです。
はじめは地味な作業ですが、グルメ本を買ってデータを手で打ち込み6000店舗のデータベースが構築できたタイミングでリリースしたそうです。
当初は投稿者の集客を重視、グルメ好きなユーザーが飲食店を記録するサイトとしての価値提供を行っており、既に競合やブログで飲食店の情報を記録しているユーザーをターゲットとして、ブログのコメント欄から勧誘したり、競合サイトのメッセージ機能から勧誘を行っていたそうです。
この投稿者獲得へのフォーカスが、創業期の成長要因の1つ目と考えます。
プラットフォームビジネスには鶏卵問題、たとえばメルカリでは、売り手がいなければ商品がないため買い手が集まらない、一方で買い手がいなければ商品を出品しても売れないため売り手が集まらない、このような鶏が先か卵が先かという問題が存在します。
食べログは、既に飲食店の口コミを記録している人にターゲットを絞り、そのユーザーが使い勝手の良いサービスに注力することで、この鶏卵問題を乗り越えています。
こうして投稿者を集めた後に、飲食店を探すために訪れた閲覧者側のユーザーに対するプロダクトの最適化を始めました。
食べログ内にサービスに対する要望を書き込める掲示板を設置、書き込まれたユーザー要望に対して、即日、遅くとも1週間で対応することを繰り返し、ユーザーの離脱を防止していったそうです。
このユーザーヒアリング〜改善の爆速サイクルが2つ目の成長要因と考えています。
Code RepublicでもMVPを開発後、プロダクトのリテンションやCVR等の定量的な情報に加え、ターゲットの声という定性的な情報を集め、プロダクトのニーズを検証しています。
具体的には、ターゲットユーザーを集めたコミュニティをつくり、MVPを利用してもらいます。ここで継続して利用してくれなかったユーザーが、なぜ利用してくれなかったのか?という理由をインタビューすることで、ユーザーニーズを深掘っています。
このようなニーズ検証がないままマーケティングをしてしまうと新しいユーザーが増えても、離脱してしまい、結果的にユーザーが増えていかない、いわゆる穴の開いたバケツ の状態になってしまいます。
食べログは、掲示板という仕組みを活用することで、ユーザーの声を拾い、爆速で改善を行い、この穴を塞いでいったのだと考えています。
この話をすると、よくユーザー要望には何でも答えて改善した方が良いという思考になってしまうことがありますが、ここはあくまでターゲットユーザーに共通する要望にフォーカスするべきだと考えています。
インタビューでは書かれておりませんが、食べログもおそらく無数に書き込まれる要望の中でも取捨選択をしていたと思います。
このようにして、投稿者、閲覧者の順に最適化を図り、成長してきた食べログですが、3つめの成長要因として「KSFの見極め」が大きな要因だと考えています。
これは推測になりますが、当時飲食店検索サイトとしては「ぐるなび」は既に巨大なプラットフォームとなっていました。
ぐるなびのビジネスモデルは、飲食店から広告費をもらい、飲食店のホームページの代替としてぐるなび上に専用ページを開設していました。
つまり、ぐるなびは掲載すること自体に対価を支払ってもらっているので、掲載飲食店を増やすことができません。
一方で食べログはあくまで飲食店口コミサイトとなるため、契約の有無にかかわらず掲載飲食店を増やすことができます。
この掲載飲食店の数が、飲食検索サイトの命運を分けたと言っても過言ではないと考えています。
ユーザーは飲食店を探す時にまずは検索エンジンで「渋谷 居酒屋」や「渋谷 スペイン料理」のように検索します。
掲載飲食店が増えればインデックス数(検索結果に表示されるページの数)が増え、渋谷の居酒屋について最も情報量が多いページとして、Googleに認識され、検索結果上位表示されるようになります。
さらにこの検索のアルゴリズムは、件数だけでなく、掲載されているコンテンツの質も加味しています。食べログは、飲食店に紐づいた口コミが増加するため、コンテンツの質も向上する仕組みとなっており、コンテンツの量と質共に高いサイトとし検索結果上位表示を強固にしていきました。その結果、検索流入で競合を凌ぎ、サービスは急成長、今では飲食店が開業する際には食べログに登録することが当たり前の作業になっています。
このように検索流入の導線を抑えることをKSFとして見極め、飲食店からのマネタイズを急がなかったことが、急成長の要因になったと考えています。
まとめると、食べログの成長で参考にしたいポイントは3つです!
1つ目は『投稿者へのフォーカス』
まずは投稿者にフォーカス、投稿者にとっての価値あるプロダクトを提供することで、先行企業のユーザーをスイッチさせていきました。
2つ目は『ユーザーヒアリング〜改善の爆速サイクル』
ユーザーの声を拾う仕組みを整え、遅くとも1週間以内に反映することで、閲覧者側に対しても満足度の高いサービスへ進化していきました。
3つ目は『KSFの見極め』
検索流入を抑えることというKSFを見極め、事業拡大を図っていきました。
ということで、今回は食べログから学ぶ起業の秘訣でした。