【事例で学ぶ!起業の秘訣】Instagramの成長要因
今回はInstagramの創業期の成長要因を調べてみました。
Instagramはグローバルで10億人以上が利用、国内では3300万人が利用しており、SNSではLINE・Twitterに次ぐ第3位のポジションとなっています。
直近ではコロナの影響によりインスタライブでの配信が増加しており、中国のようなライブコマースの普及の基盤になるのではないかと考えています。
Instagramのすごい点はサービスリリース1日で2.5万DL、1週間で10万DL、2ヶ月で100万DL、
そして、2年で3000万DLを達成してFacebookへ10億ドルで買収されるという驚異的なスピードでの成長を実現している点です。
今回Instagramの創業期から学びたい点は2つです。
1つ目は『徹底的なユーザー分析』
2つ目は『人脈形成』
この2つが創業期の成長要因と考えています。
ではInstgramは、どのように生まれたサービスなのでしょうか?
Instagramはケビン・シストロムとマイク・クリーガーの2人により2010年に創業されたサービスです。
当初はInstagramではなく、BrubnというForsquareのような位置情報共有サービスでした。
しかし、BurbnのMAUは数百人の状態から成長せず、その要因を探るため、ユーザーの行動を分析したところ、継続利用者は位置情報の共有でなく、、主に画像共有のために利用していることがわかったそうです。
この要因を調べたところ、当時他のサービスは画像のアップロードに時間がかかっていたが、Burbnはアップロード時間が短かかったため、継続していることが判明したそうです。
この結果から画像共有にフォーカスしたサービスへピボットを決め、ユーザーの課題調査を始めました。
その結果、多くのユーザーが
・アップロード時間に対する不満
・画質に対する不満
の2つの不満を抱えていることを発見、アップロード時間の短縮と画質の向上にフォーカスしたサービスとして、Instagaramの開発が始まりました。
まず、アップロード時間の短縮では、技術的な時間短縮に加え、投稿画像のフィルターの選択やコメント記入をしている際にバックグラウンドでアップロードを開始すること体感的にアップロードが早いというUXを構築しました。
次に、画質の向上では、当時有料のフィルターアプリが多い中で無料で複数のフィルターを提供しました。
シストロム自身が写真の勉強のためにイタリアへ留学をしている程写真に対する造詣が深かったため、フィルターの作り込みにはかなりこだわっていたようです。
このように「最も画質の良い写真加工ができるアプリ」という価値をつくり、実際に使用してみると「アップロードが早く利便性が高い」ため継続するという2つにフォーカスした写真共有アプリとしてInstagaramが生まれました。
ということで1つ目の成長要因としては「徹底的なユーザー分析」、実際にMVPがどのように使われているのか?、そしてその理由(ユーザーのどのような課題が解決されているから使われているのか?)を徹底的に分析したことが、一つ目の成長要因ではないかと考えています。
このような分析により生まれたInstagramですが、その後iOSアプリリリース1週間で10万DLというヒットとなります。
このヒットの背景には著名人がInstagramで撮影した写真をTwitterやFacebookで共有したことが大きな要因となっています。
このように聞くとインフルエンサーマーケティングは誰でもやってると感じると思いますが、インフルエンサーによる話題化を生む環境を自ら構築していたという点がInstagramの初期成長には大きく役立ったのではと考えています。
具体的には、Instagramリリースの際にTwitterの創業者であるジャック・ドーシーがInstagramで撮影した写真をTwitterに投稿しています。このような著名人の投稿によるアプリへの期待感の醸成によりリリース24時間で25,000DLを達成しています。
ここからは推測になりますが、なぜジャック・ドーシーが投稿に協力していたかというとシストロムは学生時代にTwitterのピボットする前のサービス、ポッドキャストサービスのOdeoでインターンをしていました。
ここでジャック・ドーシーやエバン・ウィリアムズのような著名起業家との関係性を構築しているのですが、インターンとなった経緯が面白く、Odeoに興味を持ったが連絡先がわからず、ドメインのWhois情報から保有者のメールアドレスを見つけ依頼をしたそうです。
創業者はインタビューで「運が良かった、ただ運を引き寄せる努力をしてきた」という発言をしているのですが、結果としてOdeoのインターンもこのような運を引き寄せるための行動だったのではないかと感じます。
他にも起業前のタイミングでFacebookや元Facebook・現Quaraのアダム・ダンジェロへ相談していたり、A16Zのマーク・アンドリーセン、ベン・ホロウィッツに相談をしていたり、スタンフォード大学というコミュ二ティに所属していたことだけでなく、自身の行動で人脈形成を図ってきたのだと考えられます。
このようにその時の目的とは異なっていたとしても積極的に人脈形成と関係維持を図っていくことが、間接的・長期的にリリース当初の話題化に繋がっていたのではないでしょうか。
これが2つ目の成長要因『人脈形成』と考えています。
よくリリース初期のPRについて起業家の方とディスカッションをさせて頂くことがありますが、
いつもお話しする内容として、ユーザー検証に協力頂いている方に対する感謝と定期的な状況共有をオススメしています。
状況共有により、ユーザー視点でのフィードバックを定期的に得られることはもちろんですが、
一緒にサービスを開発してきた仲間のような存在になり、リリースタイミングでの拡散や紹介に協力してもらえるケースが多いと思います。これも一つの人脈形成と関係維持なのではないかなと思います。
他にも成長要因として、スマートフォンの普及とFacebook・Twitterの浸透によりセルフィーの投稿に対する心理的ハードルが下がり始めたというタイミングのフィットやアプリを訪れたユーザーが低品質な画像によりネガティブな印象を持たれないよう表示される画像を厳選したり、TwitterやFacebookの同時投稿のように大手PFとの連携によるグロースも要因ではあると思いますが、
初期のヒット要因としては『徹底的なユーザー分析』とリリース時の話題化づくりのための『人脈形成』が重要だったのではないかと思います。
まとめると、Instagramの成長で参考にしたいポイントは2つです。
1つ目は『徹底的なユーザー分析』、実際にMVPがどのように使われているのか?、そしてその理由(ユーザーのどのような課題が解決されているから使われているのか?)を徹底的に分析すること
2つ目は『人脈形成』、積極的に協力者となるような人脈形成を行なっていき、その関係を維持していくことが重要だと思います。
ということで、今回はInstagaramから学ぶ起業の秘訣でした。