スタートアップの 7つの成長プロセス #0 PMFって何?
本ブログは、インターネット領域での起業を目指す方々、起業初期の方々に向けて、スタートアップがアイディアから事業として成長するまでのノウハウを7つのプロセスに分けて紹介します。
私自身起業家としては中途半端な失敗の経験しかありませんが、これまで出会った起業家・投資家・研究者・書籍等多くの方々の知見を基にノウハウをまとめました。このノウハウが少しでも起業家・起業家志望の皆様の成功確率を高めることに繋がればと思います。
スタートアップの成功・失敗を決める要因は何か?
この問いに対して、Netscape創業者でありベンチャーキャピタルAndreessen Horowitz(A16Z)創業者のMarc Andreessenは「重要なことはProduct Market Fitをすることだけだ。」と言います。
PMF(Product Market Fit)とは何なのか?Marc Andreessenは以下のように述べています。
また、「リーン・スタートアップ」著者のEric Ries、500 StartupsのChandini Ammineniは以下のように定義しています。
このようにPMFはスタートアップが急成長するために十分な規模の市場に対して、その市場の顧客の課題を十分に解決するプロダクトを提供している状態となります。
A16ZのパートナーであるAndrew Chenは、PMFを以下のような具体指標で説明しています。
そして、彼はPMFを「自分の望んでいるプロダクトを知っている人が、提供されているものに満足している時」と説明しています。つまり、十分な規模だけでなく、課題・ニーズが既に顕在化している市場を対象としています。
同じく彼は「テクノロジーは変化するが、人々は変わらない」と述べており、人々が抱える課題・ニーズの本質は変わらないため、その課題・ニーズをテクノロジーにより解決することが、PMFの近道であると考えます。
『十分な規模があり、課題・ニーズが顕在化している市場』に対して、その課題を十分に解決するプロダクトを提供することがPMFの必要条件となりますが、プロダクトの開発までには地道な『検証の繰り返し』が求められます。
AirbnbやDropboxを輩出したY Combinator創業者のPaul Grahamはスタートアップの成功のための原則として、高速でリリースして検証を繰り返すことの重要性を述べています。
「ビジネス・クリエーション」「起業の科学」「アントレプレナーの教科書」をはじめ多くの起業のプロセスが存在しますが、インターネット領域のスタートアップにおいては、以下のような繰り返しのプロセスでPMFを実現できると考えています。
いずれのプロセスも直線的に進む訳ではなく、進んで戻ってを繰り返してプロダクトを磨いていきます。
これからのプロセスは地味で多くの失敗を繰り返すことになります。しかし、どんなスタートアップも最初のアイディアから成功を掴んでいる訳ではありません。この失敗をスピーディーに繰り返すことにより、成功を掴みとって頂ければと思います。
全7回の各プロセスは以下となります。
#1 市場選定
短期間で急成長するための市場の条件、選定方法を紹介します。
#2 アイディア策定
ビジネスアイディアを構成する4つの要素とその調査方法を紹介します。
#3 ニーズ検証
ビジネスアイディアという仮説をインタビューを通じて定性検証、ビジネスアイディアを磨き込むプロセスを紹介します。
#4 ソリューション検証
MVPを用いた「課題・ニーズが存在するか?」「その課題・ニーズを解決しているか?」の定量検証のプロセスを紹介します。
#5 プロダクト検証
MVPをプロダクトに落とし込み、愛されるプロダクトへと磨き込むプロセスを紹介します。
#6 ビジネスモデル検証
持続的に利益を生み出し続けるビジネスモデルを構築するプロセスを紹介します。
#7 スケール
愛されるプロダクトと持続的に利益を生むビジネスモデルを構築した後のスケールのための成長戦略・組織設計のプロセスを紹介します。
長いプロセスとなりますが、起業家・起業家志望の皆様の成功確率を高める一助になればと幸いです。